頸部が紐状物で,自己の体重以外の力によって締められて死ぬこと。他為的な場合が絞殺,自為的な場合が自絞死である。自絞死では,紐状物が緩まないように結節が作られていたり,数回以上巻きつけられていることが多い。絞死の際は,頸部に紐状物による圧迫痕(絞溝または絞痕)が生じ,頸部の静脈は容易に閉塞されるが動脈は閉塞されにくいため,頭部顔面に強い鬱血(うつけつ)を生じ,眼結膜に溢血点(いつけつてん)が出現する。気道が容易に閉塞されるので死因は窒息であり,まれに,脳への血液供給停止や頸動脈洞の圧迫によるショックで死亡する。絞溝は腐乱すると肉眼的に見えなくなるが,この不明りょうとなった絞溝を証明する方法として圧痕反応(生活反応)がある。しかし,生存中の圧迫痕も死後の圧迫痕も同様の所見を示すため,加えられた圧迫痕の生前,死後の鑑別はできない。なお,自分の体重を使って死ぬ場合,いわゆる〈首吊り〉は縊死(いし)といって区別される。したがって,日本の〈絞首刑〉は絞死ではなく,縊死である。
執筆者:小嶋 亨
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
紐(ひも)など(索条)が頸(くび)に巻かれ、これに死亡者の体重以外の力(他人または自己の手、それに類する外力)がかかって頸部(けいぶ)が締められ(絞頸(こうけい))死亡することで、首絞(し)め、絞首(こうしゅ)ともいう。他殺による場合が絞殺であり、自殺の場合が自絞死である。定型的な場合は、索条が喉頭(こうとう)隆起より下位頸部をほぼ水平輪状にかかり、一般に均等の深さの索条の跡(絞痕(こうこん))を残す。絞頸の場合、頸部血管の圧迫は、自己の体重を利用して頸部を圧迫する縊頸(いけい)より不均衡で弱いため、死亡時間も縊死よりやや長く、顔面の紫赤色、腫脹(しゅちょう)、微小出血点も著しい。死因には、気道と頸部血管神経の圧迫がかかわるが、気道圧迫(閉鎖、狭窄(きょうさく))による窒息が主因となる。
索条が15キログラム以上の力で作用したり、頸部最上位にかかると完全な気管閉鎖を生じる。普通は絞殺が多いが、自絞死もまれでない。首にかけた荷物の紐による事故死もある。絞殺では、索条をとろうとした被害者の爪(つめ)跡がときに頸部に残る。加害者が索条を除去しているときは、絞痕付着線維屑(せつ)が重要となる。
[澤口彰子]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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