絵符(読み)エフ

デジタル大辞泉 「絵符」の意味・読み・例文・類語

え‐ふ〔ヱ‐〕【絵符/会符】

江戸時代運送の際に特別な便宜をはかるように公卿武家など特定の者の荷物につけた目印の札。
荷札

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「絵符」の意味・読み・例文・類語

え‐ふヱ‥【絵符・会符】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、公家、武家など、特権者の荷物を陸上輸送する際、その荷物であることを表示した荷札。中期頃から、町人百姓が商荷を送るのに借用し、または詐称のものを用いる者が多くなったため、幕府はしばしば禁令を出してこれを取り締まった。伝符(でんぷ)
    1. [初出の実例]「いのししに笹りんどうのゑふを立て」(出典:雑俳・柳多留‐一二(1777))
  3. 荷札。
    1. [初出の実例]「古道具屋の店先きに、無造作に置かれ、小荷物の会符みたいな紙に二千円の値が記されていた」(出典:行き暮れて雪(1979‐82)〈野坂昭如〉二四)

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世界大百科事典(旧版)内の絵符の言及

【会符】より

…江戸時代,幕府や大名,朝廷,公家,寺社などが荷物運送に際して,自分の荷物であることを明示するため荷物につけた証札で,伝符,行李符ともいう。絵符とも書く。会符は,多くは木札で,板札の上部に穴をあけて紐を通して荷物につるすもの(絵符)と,板札の下に柄をつけて荷物に立てて標示するもの(立絵符)との2種類があった。…

※「絵符」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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