練馬城(読み)ねりまじょう

日本の城がわかる事典 「練馬城」の解説

ねりまじょう【練馬城】

東京都練馬区向山にあった平山城(ひらやまじろ)。東京都指定文化財(旧跡)。1331年(元弘1)から1333年(正慶2)にかけて、一帯を領有していた豊嶋氏により築城されたと推定され、豊嶋一族が居城としていた城である。1476年(文明8)に、山内上杉氏の家宰長尾景信の嫡男長尾景春が鉢形城(埼玉県大里郡寄居町)を築いて山内上杉氏に反旗を翻すと(長尾景春の乱)、豊嶋氏はこれに呼応して挙兵し、山内・扇谷両上杉氏と戦った。当時、扇谷上杉氏は江戸城(千代田区)と川越城(河越城、埼玉県川越市)を主要な拠点としており、豊嶋氏の練馬城と石神井城(練馬区)はこれを分断する役割になることから、扇谷上杉氏は豊嶋氏の挙兵に即座に対応し、扇谷上杉氏家宰の太田道灌が豊嶋氏を攻めた。翌年、両軍の決戦(江古田・沼袋原の戦い)が行われたが豊嶋氏は大敗、その後豊嶋一族が立てこもった石神井城を落城させ、豊嶋氏は実質的に滅んだ。練馬城については当時の記録がないが、このとき太田道灌の攻撃によって陥落したと考えられている。練馬城の中心部は現在、としまえんの敷地になっているが、遺構はほとんど残っていない。1979年(昭和54)の道路改修に伴う緊急発掘調査では、同城の空堀一部が確認された。西武鉄道・都営地下鉄大江戸線豊島園駅下車。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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