縁なき衆生は度し難し(読み)エンナキシュジョウハドシガタシ

デジタル大辞泉 「縁なき衆生は度し難し」の意味・読み・例文・類語

えんなき衆生しゅじょうがた

仏縁のない者は、すべてに慈悲を垂れる仏でも救えない。転じて、人の忠告を聞こうともしない者は救いようがない。

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精選版 日本国語大辞典 「縁なき衆生は度し難し」の意味・読み・例文・類語

えん【縁】 なき衆生(しゅじょう)は度(ど)し難(がた)

  1. すべてのものに慈悲を垂れるという仏でも、仏縁のない者は救いがたい。転じて、忠告を聞こうともしない者は救いようがない。
    1. [初出の実例]「『世界の者が皆盲で埒が明きませぬ』と云うて戻せば、〈略〉『エエ縁(エン)なき衆生(シュジャウ)は度(ド)しかたきぢゃナア』」(出典浮世草子・諸芸袖日記(1743)四)

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ことわざを知る辞典 「縁なき衆生は度し難し」の解説

縁なき衆生は度し難し

すべてのものに慈悲の心で接する仏でも、仏縁のないものを救うことはむずかしい。転じて、どの世界でも結局縁のないものに理解させたり、納得させたりすることはできない。

[使用例] 縁なき衆生は度し難しとは単に仏法のみで言うことではありません。段違いの理想を有して居るものは、感化してやりたくても、感化を受けたくても到底どうすることも出来ません[夏目漱石文芸の哲学的基礎|1907]

[解説] 「縁」は、本来仏縁のことですが、今日では仏教とかかわりなく、はじめからまったく相手にしても意味がない場合のほか、もはやこれまでとあきらめるような場面にも用いられます。

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