繁（読み）ハン

デジタル大辞泉

はん【繁】［漢字項目］

［常用漢字］　［音］ハン（漢）　［訓］しげる　しげし
１ 草木がしげる。物事が盛んになる。たくさん増える。「繁栄・繁華・繁盛はんじょう・繁殖・繁茂」
２ 事が多くて煩わしい。「繁簡・繁雑・繁多・繁文・繁忙／頻繁・農繁期」
［名のり］えだ・しげ・とし
［難読］繁縷はこべ

しげ【^▽繁】

茂み。
「夏山の木末こぬれの―にほととぎす鳴きとよむなる声の遥けさ」〈万・一四九四〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しじ【繁】

1. 〘 副詞 〙 ( 多く「に」を伴って用いる )
2. ① 草木の生い茂っているさまを表わす語。こんもりと。ぎっしりと。
   1. [初出の実例]「美濃山に 之之(シジ)に生ひたる 玉柏 豊の明(あかり)に 会ふが愉しさや 会ふが愉しさや」(出典：催馬楽（７Ｃ後‐８Ｃ）美濃山)
3. ② 数量の多いさまを表わす語。すきまもないくらいたくさん。ぎっしりと。ぎっしりいっぱいに。
   1. [初出の実例]「竹珠(たかたま)を 密(しじに)貫き垂れ 斎戸に 木綿取りしでて」(出典：万葉集（８Ｃ後）九・一七九〇)

しげ【繁】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 草木の枝葉がたくさん生えている所。しげみ。
   1. [初出の実例]「活道山(いくぢやま) 木立の繁(しげ)に 咲く花も うつろひにけり」(出典：万葉集（８Ｃ後）三・四七八)
3. ② たびかさなること。しきりであること。
   1. [初出の実例]「篠を突くよふな雨のしげ」(出典：歌舞伎・傾城筑紫𤩍（1814）四段)

はん【繁】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 多いこと。茂ること。また、そのさま。
   1. [初出の実例]「教練は順序を逐ひ簡より繁に入り」(出典：歩兵操典（1928）第一五)
   2. [その他の文献]〔文章軌範‐一・小序〕

出典　精選版 日本国語大辞典