群島水域(読み)ぐんとうすいいき(英語表記)Archipelagic water

百科事典マイペディア 「群島水域」の意味・わかりやすい解説

群島水域【ぐんとうすいいき】

大洋なか一群島々があって,国がその島々から成立している大洋群島国の場合には,最も外側の島々を直線基線原則として100カイリ以内の長さ)で結び,それによって囲まれた水域を群島水域とすることが,第3次海洋法国際会議(1973年―1978年)において認められ,海洋法条約に規定された。この結果従来公海とされていた海域における自由航行が制限を受ける場合が生じるようになった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「群島水域」の意味・わかりやすい解説

群島水域
ぐんとうすいいき
Archipelagic water

多数島嶼から成る群島において,その最も外側に位置する島を結ぶ直線基線で囲まれる内側の水域をいい,群島国家の領水の一部とされる。しかしそれは,内水ではなく,国連海洋法条約によって規定されるところの独自の法的地位をもつ領水となる。これにより,群島水域においては領海と同様の無害通航権が適用されるが,群島航路帯が指定された場合は,国際海峡に適用される通過通航権と同様の群島航路帯通航権が認められる。

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世界大百科事典(旧版)内の群島水域の言及

【内水】より

…この場合には,直線基線の内部の水域が内水である。1982年の国連海洋法条約で認められた群島水域は,この直線基線の概念を拡張して群島国家に適用し,群島基線が認められた。群島基線によって囲まれる群島水域の法的地位は,直線基線内部の内水とほぼ同じであるが,同群島水域の中にさらに湾・河口・港といった別の内水の存在を認めている。…

※「群島水域」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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