翳める（読み）カスメル

デジタル大辞泉

かす・める【^×翳める】

［動マ下一］［文］かす・む［マ下二］音や形などを、はっきりしない状態にする。
「―・めた声に力を入れて」〈鴎外・雁〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かす・める【霞・翳】

1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
   [ 文語形 ]かす・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
2. ① はっきり見えたり聞こえたりしないようにする。ぼやけた状態にする。
   1. [初出の実例]「君子の明はもとの如にして、終にかすめられはせぬぞ」(出典：四河入海（１７Ｃ前）一)
   2. 「『それに女中部屋にも聞える』翳(カス)めた声に力を入れて云ったのである」(出典：雁（1911‐13）〈森鴎外〉一二)
3. ② 歌舞伎で下座音楽を弱く静かに演奏する。⇔生(お)やす。
   1. [初出の実例]「『イザ、お立ちなされ』トかすめて管絃になる」(出典：歌舞伎・天満宮菜種御供（1777）二)

出典　精選版 日本国語大辞典