老司古墳(読み)ろうじこふん

国指定史跡ガイド 「老司古墳」の解説

ろうじこふん【老司古墳】


福岡県福岡市南区老司にある古墳那珂(なか)川西岸の標高約40mの丘陵上にある、前方部を南に向けた前方後円墳。全長76m、前方部幅30m、後円部径45mの規模があり、墳丘には葺石(ふきいし)がほどこされ、壺形を主とした埴輪(はにわ)がめぐっていた。後円部に3基、前方部に1基の竪穴(たてあな)系横口式石室と呼ばれる初期の横穴式石室が確認された。後円部中央の1号石室はもっとも古く、長さ2.1m、幅95cm、高さ80cmで、前方部に通じる墓道があり、三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)その他の鏡10面・玉類・剣のほか多くの豊富な副葬遺物が出土したことから、5世紀初めごろの営造と推定される。2000年(平成12)に国の史跡に指定された。JR九州新幹線ほか博多駅から西鉄バス「老松神社前」下車、徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「老司古墳」の意味・わかりやすい解説

老司古墳
ろうじこふん

福岡市南区老司にある前方後円墳。前方部南向きで、全長90メートル、後円部径45メートルを測る。葺石(ふきいし)、壺形埴輪(つぼがたはにわ)がある。1966~1969年(昭和41~44)に発掘され、後円部3基、前方部1基の竪穴(たてあな)系横口式石室の原初的形態が明らかにされた。後円部中央の1号石室はもっとも古く、長さ2.1メートル、幅95センチメートル、高さ80センチメートルで、前方部に通じる墓道がある。三角縁神獣鏡その他の豊富な副葬遺物があり、5世紀初めごろの営造と推定される。

[小田富士雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android