イギリスの詩人コールリッジの物語詩。1798年に刊行されたワーズワースとの共著『抒情民謡集』の巻頭を飾った。時は中世。眼光鋭い白髪の老人が婚礼客を引き留めて、身の上話を始めるという枠入り構造になっている。「私」が乗り込んだ船は嵐(あらし)に吹かれて南氷洋に至り、アホウドリのおかげで氷海を脱出するが、「私」はいわれなく鳥を殺してしまう。その呪(のろ)いで太平洋の赤道直下で船は静止し、仲間たちが死んでゆくなかで、「私」はひとり苦しむが、海蛇を祝福したとたん風が吹き始め、故郷に帰り着く。以後、老水夫は放浪の身となって、己の罪と罰と許しの物語を人に語らずにはいられない。特異な宇宙感覚、人間の実存的危機意識、夢魔的な言語操作などのゆえに、ロマン派文学の傑作とされる。
[高橋康也]
『斎藤勇・大和資雄訳『コウルリジ詩選』(岩波文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新