耳なし芳一(読み)みみなし ほういち

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「耳なし芳一」の解説

耳なし芳一 みみなし-ほういち

小泉八雲の「怪談」の登場人物。
長門(ながと)赤間関の盲目の琵琶(びわ)法師平家怨霊(おんりょう)にまねかれ,夜ごと安徳天皇陵の前で壇ノ浦戦いをひきがたる。これを知った和尚に怨霊から身をかくすため全身に経文をかいてもらうが,かきわすれられた両耳はひきちぎられた。天明2年刊「臥遊奇談」巻2の「琵琶曲泣幽霊」が出典とされる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の耳なし芳一の言及

【耳】より

… 耳にだけ般若心経の経文を書き忘れられた琵琶法師芳一は,平家の亡霊に両耳を持ち去られた。いわゆる〈耳なし芳一〉の話がこれである。また,源頼義が前九年・後三年の役で死亡した者の片耳を切り取って皮籠に入れ,埋めた上に耳納堂を建立したというが(《古事談》),文禄の役ののち,首級の代りに持ち帰った耳を葬ったという方広寺門前の耳塚なども,よく知られる。…

※「耳なし芳一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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