聖地管理権問題(読み)せいちかんりけんもんだい

山川 世界史小辞典 改訂新版 「聖地管理権問題」の解説

聖地管理権問題(せいちかんりけんもんだい)

イェルサレム管理権をめぐって1850年以降ロシアフランス間に起こった係争。イェルサレムは16世紀以降,ローマ教会保護者としてのフランス王の管理下にあったが,フランス革命のときにギリシア正教徒がロシアの支持を得て管理権を握った。ナポレオン3世は管理権をオスマン帝国要求したが,ロシアはこれを阻止しようとしたため,クリミア戦争が起きた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「聖地管理権問題」の解説

聖地管理権問題
せいちかんりけんもんだい

1850年,聖地イェルサレムの管理権をめぐり,ロシアとフランス・オスマン帝国との間に起こった紛争
イェルサレムの管理は,16世紀以来,ローマ教会の保護者としてのフランス王の管理下にあったが,フランス革命当時その管理を怠ったすきに乗じて,ギリシア正教徒がロシアの支持下にその権利を収めていた。ナポレオン3世は国内のカトリック教徒の歓心を得るために,その権利の回復をオスマン帝国に求め,オスマン帝国はフランスの要求を受けいれようとしたので,ロシア(ニコライ1世)はオスマン帝国に干渉し,クリミア戦争に発展した。

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