聖跡(読み)セイセキ

デジタル大辞泉 「聖跡」の意味・読み・例文・類語

せい‐せき【聖跡/聖×蹟】

《古くは「せいぜき」とも》
天子が行幸した地や帝都旧跡
聖人の事跡。また、その遺跡。しょうせき。「―巡礼
すぐれた筆跡
「いかなる―重宝なりとも、あとかたなく消えうせんには、なにの益かあらん」〈著聞集・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「聖跡」の意味・読み・例文・類語

せい‐せき【聖跡・聖蹟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「せいぜき」とも )
  2. 天子に関係ある遺跡・史跡。天皇行幸の地、帝都の旧跡などについていう。
    1. [初出の実例]「かかるめでたき聖跡(セイゼキ)〈高良本ルビ〉なれ共、今はなにならず。顕密須臾(しゅゆ)にほろびて、伽藍さらに跡もなし」(出典平家物語(13C前)四)
    2. [その他の文献]〔李白‐上皇西巡南京歌〕
  3. 聖人の事跡。また、その遺跡。しょうせき。
    1. [初出の実例]「如盛算者歴二山聖跡、遇三蔵大教」(出典:伝法灌頂雑要抄‐寛仁三年(1019)三月一五日・太政官牒)
    2. [その他の文献]〔漢書‐伍被伝〕
  4. すぐれた筆跡。
    1. [初出の実例]「方今開蓮之文、出聖跡臨池之妙」(出典:本朝文粋(1060頃)一三・村上天皇御筆法華経供養問者表白〈兼明親王〉)

しょう‐しゃくシャウ‥【聖跡・聖迹】

  1. 〘 名詞 〙 神聖な遺跡。天皇行幸の跡や神仏霊地。また、霊験があったと伝えられる土地など。せいせき。
    1. [初出の実例]「偏為菩提礼聖跡勝地来」(出典:参天台五台山記(1072‐73)七)
    2. 「願を(おこ)して聖迹を尋て礼せむが為に天竺に渡る」(出典:今昔物語集(1120頃か)六)

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