聞こえさす(読み)キコエサス

デジタル大辞泉 「聞こえさす」の意味・読み・例文・類語

きこえ‐さ・す【聞こえさす】

[動サ下二]《「言う」の謙譲語「聞こゆ」に使役助動詞「さす」が付いて、その謙譲の度合いを強めた語》
申し上げる。
「せちに―・すべき事なむある」〈大和・一五五〉
手紙を差し上げる。
「人てならで―・せむ」〈紅葉賀
補助動詞)動詞連用形に付いて、謙譲の意を表す。…申し上げる。
「いつしか出でさせ給はなむと待ち―・するに、いとひさし」〈・二七八〉
[補説]直接ではなく、人を介して申し上げるという形式をとることによって、その相手と距離を置き、へりくだる気持ちを強めた語。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android