聞伝(読み)きこえつたう

精選版 日本国語大辞典 「聞伝」の意味・読み・例文・類語

きこえ‐つた・う ‥つたふ【聞伝】

〘他ハ下二〙 (「いいつたえる(言伝)」の謙譲語)
① (言う相手を敬う) お伝え申しあげる。言葉などを、おとりつぎ申しあげる。きこえつぐ。
源氏(1001‐14頃)賢木九重に霧や隔つる雲の上の月を遙かに思やるかなと、命婦してきこえつたへ給ふ」
② (言われる人を敬う) つぎつぎとおうわさ申しあげる。
狭衣物語(1069‐77頃か)四「世の人のきこえつたふらん事も、かへりては、中々心浅う、物狂ほしかりぬべければ」

きき‐づて【聞伝】

〘名〙 「ききづたえ(聞伝)」の変化した語。
※遅過ぎた日記(1954)〈長与善郎〉占領後の世相「後から聞き伝てのそれによると、驚くべし、スターリンは〈略〉むしろ日本に厚意的な手をさし伸べてゐたものと云ふのだ」

きき‐づたえ ‥づたへ【聞伝】

〘名〙 (「ききつたえ」とも) 直接でなく、人づてに聞くこと。伝聞すること。また、その事柄。いい伝え。ききづて。
※浄瑠璃・平家女護島(1719)一「諸国にかがむ源氏共、聞き伝へにもおどしをくれ」

きき‐つた・える ‥つたへる【聞伝】

〘他ア下一(ハ下一)〙 ききつた・ふ 〘他ハ下二〙 人から伝え聞く。人づてに聞く。
※源氏(1001‐14頃)帚木「かかるすきごとどもを、末の世にもききつたへて、かろびたる名をや流さんと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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