聞煩(読み)ききわずらう

精選版 日本国語大辞典 「聞煩」の意味・読み・例文・類語

きき‐わずら・う ‥わづらふ【聞煩】

〘他ハ四〙
① 聞いて判断に苦しむ。聞いて、その事の処置にこまる。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「空にもつかず、地にもつかず聞ゆるときに、あやしくききわづらひて」
② 聞くことをつらいと思う。聞いて悩む。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「あはれ、ならはぬ御心ちもおもほさるらん。それをなむ、ただいまききわづらふ」

きこえ‐わずら・う ‥わづらふ【聞煩】

〘他ハ四〙 (「いいわずらう(言煩)」の謙譲語) 申しあげにくがる。申しあげられないでこまる。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「あるは御かへりきこえ給ふ折もあり、つひにきこえ給はねば、きこえわづらひてやみたまひぬるもありなど」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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