聞覚(読み)ききおぼえる

精選版 日本国語大辞典 「聞覚」の意味・読み・例文・類語

きき‐おぼ・える【聞覚】

〘他ア下一(ヤ下一)〙 ききおぼ・ゆ 〘他ヤ下二〙
① 以前に聞いて記憶している。聞き知っている。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「ヲンゴクニテ quiquivoboyexi(キキヲボエシ) ウヂノ サト」
婦系図(1907)〈泉鏡花〉前「自分の跫音(あしおと)は、聞覚えて居る」
② 正式に習わずに聞いていて覚える。耳学問をする。
※虎寛本狂言・茫々頭(室町末‐近世初)「こなたの常々歌にすかせらるるに依て、其御影に、私も少しは聞覚へておりまする所で」
③ においをかいでそれと知る。〔日葡辞書(1603‐04)〕

きき‐おぼえ【聞覚】

〘名〙
① 以前に聞いた記憶があること。聞いたことがあるように感じること。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉四「背後に聞き覚へのある女の声がしたので」
② 正式に習ったのではなく聞いていて覚えること。聞きかじり。耳学問。
人情本・恩愛二葉草(1834)三「僅(ほん)の聞き覚えの事なれば、所々些とづつ知って居ります許り」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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