動物の初期発生の一段階で、卵割期のあと原腸陥入が開始されるまでの胚をいう。卵割によって細胞数が増えると割球に囲まれた腔(こう)所(胞胚腔)が生じ、無脊椎(むせきつい)動物では一層の細胞、脊椎動物では多層の細胞にそれぞれ囲まれた中空の胚になる。カエルなどの端黄卵では卵黄は植物極側に分布するので植物極側の細胞が大きくなり、胞胚腔は小さく、動物極側に偏っている。この傾向は鳥類など多卵黄卵ではきわめて著しく、とくに盤状胞胚とよばれる。節足動物は卵の中央に卵黄があるので卵黄塊を囲む一層の細胞層が形成され、胞胚腔は生じない。これを周縁胞胚とよぶ。胞胚後期には、原腸形成のための細胞運動が開始する。
[嶋田 拓]
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…その様式はおもに卵に含まれる卵黄の量と分布に依存すると理解してよいが,基本的には一つの細胞層から性質の異なる3種類の細胞層(胚葉)が派生する過程ということができる。たとえば,イモリやカエルなど内部に腔所をもつ胞胚blastulaでは,胞胚の壁が特定の部位から胞胚腔に入り込むことで胚葉形成が進む。この過程は単に胚の一部で細胞の集団が内側の腔所に落ち込むといった単純なものではなく,胚体全域におよぶきわめて複雑な造形運動なのである。…
…内側の細胞群は胎芽胚葉embryoblast(胎芽胚,胎芽極あるいは胚結節ともいう)といい,のちに胎児を形成する(図2)。次いで両細胞層の間に液を満たした胞胚腔が生じ,胎芽胚葉は一方の極に圧排される。このようになった受精卵を胞胚blastulaという。…
…しかしいずれにしても,それぞれ卵と精子に由来する二つの半数性の核が,卵の細胞質中で合体することによって,倍数性の核をもった受精卵が生ずるという点に違いはない。
[受精,卵割,胞胚形成]
卵巣から放出された卵は,水中,親の体上,体中など,種ごとに定められた環境で精子と遭遇して受精する(図1)。最初の1匹の精子によって受精した卵は,その表面からある種の物質を分泌して,みずからを特殊な膜(受精膜)で包むか,すでに備わっている膜を変成させるなどして,余分な精子が侵入できないようにするとともに,細菌の侵入や物理的な障害などからの安全をも確保する。…
※「胞胚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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