胥吏[朝鮮](読み)しょり[ちょうせん](英語表記)so-ri

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胥吏[朝鮮]」の意味・わかりやすい解説

胥吏[朝鮮]
しょり[ちょうせん]
so-ri

朝鮮で,中央,地方の官庁で行政の実務をとる下級官吏衙前 (がぜん) ともいう。中央の胥吏に録事と書吏があり,京衙前と呼ばれた。李朝初期には録事は従六品,書吏は従七品ないし従八品まで昇進でき,任期終了後には守令などの資格試験に応試することができたが,中期以降は地位も低下し官吏への道は閉ざされた。地方の胥吏は郷吏または外衙前と呼ばれた。郷吏は高麗初期には地方の豪族であったが,李朝時代にはその身分が良民より低い賤民とされ,世襲的に地方官庁の下働きをした。しかし中央派遣の地方官は在任期間も短く,出身地方には派遣されなかったので,地方の事情に暗いため,政務は郷吏にゆだねられた。その結果,彼らは官威を笠に着て,地方官僚とも結託して民衆を誅求し,私腹を肥やした。

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