出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これらの反射に関与する全経路を反射弓という。脊髄に反射中枢をもつ脊髄反射には伸張反射,屈曲反射,交叉(こうさ)性伸展反射などがあり,また脳幹に反射中枢をもつ反射には姿勢反射,呼吸反射,咀嚼(そしやく)反射などがある。(a)伸張反射 これは筋肉とくに伸筋が一過性にまたは持続的に引き伸ばされると反射的に収縮が生ずるもので,筋肉の長さを自動的に制御し,とくに背筋や下肢伸筋の抗重力筋群によく発達していて,直立姿勢の保持に役だつと考えられる。…
…陰部神経支配の外肛門括約筋は横紋筋で常時緊張状態にあるが,意識的にゆるめることができ,拡張した直腸の反射的収縮によって排便がおこる。このような排便は脊髄反射であるが,外肛門括約筋の緊張と弛緩,それに腹筋の収縮(いきみ)によって意志的にも制御することができる。
[便の異常]
激しい下痢は体力を消耗し,小児ではそのために死ぬこともある。…
…反応が運動となって現れる体性反射のほか,腺の分泌,血液循環などの自律機能上の反応として現れる自律反射がある。
[体性反射]
反射中枢が脊髄にあるものを脊髄反射spinal reflexと総称し,これが数個の脊髄節(各脊椎骨と対応する短い分節)に限局している脊髄節反射と,多くの脊髄節にわたる脊髄節間反射とに分ける。脊髄節反射には上記の屈曲反射のほか,伸張反射stretch reflex(ある筋肉を引き伸ばすとその筋肉に収縮が起こる),腱反射tendon reflex(腱をたたいて筋肉を短時間引き伸ばすと起こる一種の伸張反射),交叉伸展反射crossed extension reflex(屈曲反射の起こる肢と反対側の肢が伸びる)などがある。…
※「脊髄反射」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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