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脱法ハーブ 【だっぽうはーぶ】

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知恵蔵2014の解説

大麻や覚醒剤などの違法薬物と類似した成分を吹き付けた香草。法規制の対象から外れているが、催眠・興奮・幻覚・幻聴作用などがあり、痙攣(けいれん)・意識障害呼吸困難などの重篤な健康被害を引き起こす恐れもある。
日本国内では2009年頃から欧米経由で流通し始め、12年3月末時点では少なくとも29都道府県389業者が確認されている(厚生労働省発表)。体内摂取を目的とする未承認薬物の売買は薬事法違反になるため、販売店はお香・アロマ・鑑賞用の「合法ハーブ」「合法アロマ」などと称して販売している。しかし、厚生労働省は「合法」という呼称を使わず、「違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)」の一つとして、販売業者の監視・指導を強めている。実態としても、吸引目的の売買が前提で、販売店の中にはパイプなどの喫煙具と一緒に販売しているところも少なくない
脱法ハーブは麻薬や覚醒剤につながる入門薬物(ゲートウェイ)とも呼ばれるが、身体への影響が未確認な成分を含むものも多く、治療方法確立されていないため、「禁止薬物以上に危険だという声もある。実際、吸引者の救急搬送や吸引が主因とみられる死亡例も増えている。12年5月には大阪市で、脱法ハーブを吸った男が乗用車で商店街を暴走ひき逃げ当て逃げ事故を起こし、危険運転致死罪の容疑で逮捕された。
厚生労働省は07年から、人体への有害性を確認した上で、薬事法の取り締まり対象とする「指定薬物」制度をスタートさせている。12年7月末時点で73種の化学物質指定しているが、主成分(合成カンナビノイド)の化学式を一部だけ変えた「新製品」が後を絶たず、規制とのいたちごっこが続いている。これに加えて最近は、覚醒剤に酷似したα-PVPを含む薬物が販売されているという報告もある。
厚生労働省は、類似成分を含む物質を一括して規制する「包括指定」制度の導入を検討しているが、09年に同制度を導入したイギリスでは、6グループの物質を包括指定し、数百種を規制したものの、すぐに別の構造をもつ新たな薬物が現れたという。「包括規制」は一定の効果はあるものの、対象を広げすぎると新薬開発などの妨げになり、逆に狭めすぎると抜け道が多くなるというジレンマもある。
( 大迫秀樹  フリー編集者 )

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2012」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

幻覚症状などを引き起こす合成薬物(脱法ドラッグ)を、乾燥させた葉っぱや茎などの植物片に吹き付けたもの。たばこのように煙を吸い、意識障害や呼吸困難になって救急搬送される例が後を絶たない。脱法ドラッグについて国は今年3月、化学構造が似た物質製造販売をまとめて禁止する「包括指定」の手法規制強化今月10日には、対策を強化するための麻薬取締法と薬事法の改正案が、衆院本会議で全会一致可決成立した。
( 2013-05-13 朝日新聞 朝刊 北海道総合 )


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デジタル大辞泉の解説

だっぽう‐ハーブ 〔ダツパフ‐〕 【脱法ハーブ】
 
乾燥した植物片に合成化学物質を混ぜたドラッグ大麻覚醒剤に似た幻覚や興奮作用があり、重大な健康被害や大事故を引き起こす。
違法薬物にきわめて近いが、化学構造を少し変えることで薬事法の規制対象外となり、「合法ハーブ」「合法アロマリキッド」など称して流通している。平成24年(2012)、カンナビシクロヘキサノールなど4種が麻薬に指定された。

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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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