脳内モルヒネ(読み)のうないモルヒネ

百科事典マイペディア 「脳内モルヒネ」の意味・わかりやすい解説

脳内モルヒネ【のうないモルヒネ】

1995年6月に発行された《脳内革命》の著者・田園都市厚生病院院長(当時)の春山茂雄が,同書のなかで紹介した化学物質のこと。春山によれば,脳内モルヒネとは人がプラス思考をしたりいい気分のときに脳内に出るβエンドルフィン(ストレスがたまると出るという説もある)などの物質で,これまでに約40種類が見つかっている。こうした物質が分泌されると,体の免疫力が活性化され,癌(がん)を防ぐなど健康維持の効果があるという。 脳内モルヒネは主にチロシンというアミノ酸を素材としてできており,これを採るにはダイズ大豆)がよい。さらに,1日30分〜1時間歩く,何か好きなことに集中する,瞑想する,といったことでも,脳内モルヒネが出やすくなる。 春山のこうした考えは大きなブームになる一方で,各種の反論書も発行され,《週刊文春》が7回にわたって同氏を批判する記事を掲載するなど話題を呼んだ。1997年4月,春山は文芸春秋の社長らを相手取り,名誉毀損のため約10億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

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