六訂版 家庭医学大全科 「腎性骨異栄養症」の解説
腎性骨異栄養症(透析骨症)
じんせいこついえいようしょう(とうせきこつしょう)
Renal osteodystrophy (dialysis osteopathy)
(腎臓と尿路の病気)
どんな病気か
腎性骨異栄養症とは、慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に関連して起こる骨障害の総称です。原因から①
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線維性骨炎は、腎機能の低下とともに生じる血液中のカルシウム(Ca)やリン(P)のバランス異常や活性型ビタミンD3の不足が、副甲状腺ホルモンの分泌亢進を招くことで生じる骨の吸収・形成の回転(骨回転)の異常です。
透析前の場合、多くは活性型ビタミンD3の内服で治療が可能です。長期透析例の場合は、加えてリン吸着薬やカルシウム感受性受容体拮抗薬が必要になることがあります。
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無形成骨は、
線維性骨炎と同様、血液検査やX線検査により、異所性石灰化を含めた画像評価を行います。過剰なカルシウムやビタミンD3製剤の使用を中止し、高リン血症に対しては、塩酸セベラマーを使用します。
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骨軟化症は、活性型ビタミンD3の欠乏あるいは骨のカルシウム沈着部位(石灰化前線)へのアルミニウム沈着により生じる、アルミニウム骨症による骨の石灰化障害です。骨軟化症になると、骨折を起こしやすくなります。血液検査や骨X線検査が診断や治療の指針に有効です。
ビタミンD3製剤の内服や腎機能低下時にアルミニウム(Al)を含んだ胃腸薬を避けることが、骨軟化症の予防に有効です。
濱田 千江子
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報