腎盂・尿管腫瘍

内科学 第10版 「腎盂・尿管腫瘍」の解説

腎盂・尿管腫瘍(腎・尿路腫瘍)

(2)腎盂・尿管腫瘍(renal pelvic tumor,uret­eral tumor)
 腎盂・尿管上皮由来の腫瘍で,90%以上が尿路上皮癌である.症状としては肉眼的血尿が多いが,尿路 閉塞が生じると腰背部痛や側腹部痛も起こる.排泄性 尿路造影で腫瘍による陰影欠損を認める.描出不良ならば逆行性腎盂尿管造影を行い,同時に細胞診を施行する.治療は腎尿管全摘除術と尿管口カフ状切除が基本となる.高分化腫瘍に対しては尿管部分切除術や内視鏡的切除も選択されることもある.約30〜50%に膀胱内再発がみられる.腎盂・尿管壁は薄く壁外進展をきたしやすく,尿路外や腎実質浸潤のあるものは予後不良である.[山口雷藏・堀江重郎]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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