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腸管が腸間膜とその血管とを含めてねじれることで、腸軸捻ともいう。腸間膜が生まれつき長い部分の腸管に内容が貯留するとねじれやすい。S状結腸が好発部位である。頻度は低いが、生まれつき腸間膜の後腹膜への固定が悪いと、小腸と右半結腸を含めて広範な腸捻転がおこる。そのほか、腸管癒着や索条による腸管の一部固定が原因となる。症状は腹膜刺激と腸蠕動亢進(ぜんどうこうしん)が突然おこるので、腹痛とともに反射性嘔吐(おうと)が現れる。時間がたつと循環障害のため、腸壊死(えし)や穿孔(せんこう)による重篤な合併症がおこる可能性がある。もっとも頻度が高いS状結腸捻転では発病早期には高圧浣腸(かんちょう)やブジーで整復されることもあるが、腸捻転の治療は時期を失せず手術して整復する。時期を失した場合、とくに小腸と大腸を含めた腸捻転では、腸の広範切除を余儀なくされるが、このような例でも高カロリー輸液で救命される例が多くなった。
[古味信彦]
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…絞扼性イレウスには,癒着による腸管の絞扼,腸の軸捻転,ヘルニア嵌頓(かんとん),腸重積症などがあり,いずれも緊急に腸の血行障害を除かないと腸が腐ってしまい,危険である。俗にイレウスのことを腸捻転というが,実際に腸がねじれるのは絞扼性イレウスのうちの軸捻転で,老人にみられるS状結腸軸捻転と子どもの小腸軸捻転ぐらいである。機能的イレウスには麻痺イレウスと痙攣(けいれん)性イレウスがある。…
…腹膜炎
[イレウス]
激しい腹痛を伴う。腸の一部が圧迫されたり,ねじれたりして,内容物が通過不能となった状態で,腸閉塞,俗に腸捻転ともいう。圧迫やねじれによって腸管へ行く血管がしめつけられ血行が障害され血液不足となると,その部位の腸管は壊死に陥り腐敗する。…
※「腸捻転」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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