臨洮(読み)りんとう

精選版 日本国語大辞典 「臨洮」の意味・読み・例文・類語

りんとう リンタウ【臨洮】

中国の秦代に、現在の甘粛省南部、天水市の西、岷(びん)県の東北の地を中心に置かれた県名。唐代以後は吐蕃(とばん)の地となったが宋代に回復した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「臨洮」の意味・わかりやすい解説

臨洮
りんとう / リンタオ

中国、甘粛(かんしゅく)省中東部の県。定西(ていせい)地級市に属する。人口54万5400(2011)。県政府所在地は洮陽(とうよう)鎮。黄河(こうが)上流の支流洮河中流にあり、関中(かんちゅう)と河西(かせい)、西域(せいいき)を結ぶ中間の要衝であった。漢代に狄道(てきどう)県が置かれ、その後、五胡(ごこ)十六国、南北朝の混乱のなかで狄道郡、武始郡、臨洮郡などの廃置が続いた。唐中期以降は吐蕃(とばん)に占拠されたが宋(そう)代に回復され、金(きん)代に臨洮府が置かれてからその名でよばれた。

 産業は、ジャガイモや漢方薬材を中心とする農業のほか、放牧林業が行われる。金属加工、建築材料、食品加工などの工業もある。洮河西岸で発見された馬家窯(ばかよう)遺跡は、甘粛地方の新石器文化を代表する遺跡であり、このほかに辛店村(しんてんそん)、寺洼山(じわさん)などの重要な遺跡もある。

[秋山元秀・編集部 2017年6月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android