臨界エネルギー(読み)りんかいエネルギー(英語表記)critical energy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臨界エネルギー」の意味・わかりやすい解説

臨界エネルギー
りんかいエネルギー
critical energy

一般に荷電粒子制動放射によるエネルギー損失が電離損失と等しくなるエネルギー。放射損失は電子,陽電子に顕著なので普通はこれらの粒子に対するものをさす。原子番号の2乗,入射エネルギーに比例する。電離損失は原子番号にほぼ比例し,入射エネルギーにほとんど依存しないから,臨界エネルギーは原子番号の大きい物質ほど小さく,鉛 (原子番号 82) で 6.90MeV,鉄 (26) で 24MeV,アルミニウム (13) で 49MeV,また,標準空気で 85MeV,水で 96MeVである。臨界エネルギー以上の電子,陽電子,光子は,制動放射や電子対生成 (→対生成 ) によってカスケードシャワーを起すが,臨界エネルギー以下では電子,陽電子は電離損失で吸収される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android