この障害は、傲慢な態度、自分に関する限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛といった空想、
患者さんは特有の尊大さの背後に、自信のなさが強くみられます。日本人では自己愛の障害は、尊大であるより、むしろ他人に対する強い
本障害の治療として最も多く行われるのは、障害に付随した不眠、抑うつ、また身体不調などに関する対処的治療です。この障害自体への治療は、ハインツ・コフートにより開発された自己心理学に基づく精神分析的精神療法が知られています。
この療法は、患者さんの本来脅かされやすい自己像を、治療者が肯定的に評価し共感を与えていくことにより強化していくものです。数年の時間を要する治療ですが、本障害に特化された治療としては有効な方法であると考えられています。こうした病態への基本的接近は、患者さんが語る空想を否定せず、現実的なことを直視させるより、患者さんがよく機能している部分を評価する方法です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
(2017-2-23)
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