デジタル大辞泉 「至」の意味・読み・例文・類語 し【至】[漢字項目] [音]シ(呉)(漢) [訓]いたる[学習漢字]6年1 ぎりぎりのところまで行き着く。いたる。「乃至ないし・必至」2 この上ない。いたって。「至極しごく・至言・至上・至当・至難・至福・至便」3 太陽が回帰点に達した日。「夏至げし・冬至とうじ」[名のり]ちか・のり・みち・むね・ゆき・よし[難読]至是ここにいたりて し【至】 [接頭]時間・場所を示す名詞に付いて、行き着くところ、到達点を表す。「自六月至九月」「自成田至ホノルル」⇔自じ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「至」の意味・読み・例文・類語 いたり【至】 [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「いたる(至)」の連用形の名詞化 )① 心の働きなどが、物事に行きわたる度合。思慮、学問などの深さ。→至り深し・至り賢し。[初出の実例]「心のいたり少なからん絵師は、かき及ぶまじと見ゆ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)② 物事の極点に達すること。きわまるところ。きわみ。極致。[初出の実例]「其の誠欵(まこと)の至(イタリ)を陳(まう)す」(出典:日本書紀(720)神代下(兼方本訓))「短慮のいたり、きはめて荒涼の事なれども」(出典:徒然草(1331頃)二一九)③ ある事の結果、そうなるところ。[初出の実例]「今迄は若げの至(イタ)りと了簡して」(出典:浮世草子・傾城歌三味線(1732)一)④ 気がきいていること。粋なこと。上品なこと。また、ぜいたくなこと。[初出の実例]「すこしいたりをいはんとおもひて」(出典:咄本・鹿野武左衛門口伝はなし(1683)上)「見へぬ所に結構をつくし、至りといふて珍重がるべし」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)京)[ 2 ] 〘 造語要素 〙 近世、さまざまな名詞の上に付けて用いられた。① 非常に上等である、ぜいたくであるの意を表わす。「いたり茶屋」「いたり料理」など。② 気のきいた、しゃれているの意を表わす。「いたり大尽」「いたり染め」など。③ 下接する名詞の程度のはなはだしいことを表わす。「いたり病(やまい)」「いたり気質」など。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例