デジタル大辞泉
「興がる」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
きょう‐が・る【興がる】
① 普通の
在り方と異なる。異常である。風変わりである。奇妙である。
常軌を逸している。また、予想と違う。意外である。普通と違っているので面白かったりあきれたりするさまである。
※
梁塵秘抄(1179頃)二「お前に参りて
恭敬礼拝して見下ろせば、この滝は様かる滝の、けうかる滝の水」
※
明月記‐建暦二年(1212)一一月一五日「けうがるかな。無
二証文
一事論ずるやうやはある」
※虎明本狂言・
蚊相撲(室町末‐
近世初)「是へけうがった者がまいるほどに、言葉をかけてみう」
② 不思議に思う。あやしがる。
※
古本説話集(1130頃か)四七「あやしがりて、すこしばかりかひほりて見に、そこよりみづわきいづ。けうがりて、ほう二三尺ふかさ一さくよばかりほりたれば」
③ 興味深く感じた
気持を
態度などに表わす。おもしろがる。
※異端者の悲しみ(1917)〈
谷崎潤一郎〉三「彼は
此際、一座の興がるやうな話を持ち掛けて」
[語誌](1)
語源については「興が有る」が変化して一語化したもの、「けう(稀有)がる」の意とするものなどの説がある。
(2)見なれぬことに面白がったり、意外さや不審さを抱いたりする意に用い、
中世から近世初めには、
常識に反した突飛な
言動を指しても用いた。
(3)一般に近世では、とんでもないことの意で常軌を逸したことをなじる気持で使う例が多い。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報