興正寺(愛知県)(読み)こうしょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「興正寺(愛知県)」の意味・わかりやすい解説

興正寺(愛知県)
こうしょうじ

愛知県名古屋市昭和区八事(やごと)本町にある真言宗の寺院。山号は八事山(やごとざん)。境内は東西に分かれ、東山を遍照(へんしょう)院、西山を普門(ふもん)院という。1686年(貞享3)天瑞円照(てんずいえんしょう)が高野山より当地にきて、熱田(あつた)の八文字屋八右衛門(はちもんじやはちえもん)から土地を求めて草庵(そうあん)を結び、律寺の建立を志した。88年(元禄1)尾張(おわり)藩主2代徳川光友(みつとも)の帰依(きえ)を受けて祈願所とし、さらに真言密教の教学および修行道場として諸堂宇を建立した。開基を興正菩薩(ぼさつ)(叡尊(えいぞん))として円照自らは中興となり、八事山興正律寺とした。本尊の大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)(3.65メートル)は市文化財、1808年(文化5)建立の五重塔は国の重要文化財に指定されている。本堂は1750年(寛延3)に建立され、阿弥陀(あみだ)如来(伝慈覚大師作)などを祀(まつ)る。そのほか観音(かんのん)堂、能満堂などがある。

[野村全宏]


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