興行収入(読み)コウギョウシュウニュウ

デジタル大辞泉 「興行収入」の意味・読み・例文・類語

こうぎょう‐しゅうにゅう〔コウギヤウシウニフ〕【興行収入】

興収

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「興行収入」の解説

興行収入

観客が興行会社(劇場)に支払う入場料の合計金額を興行収入(興収)といい、この興収の中から、宣伝費などの必要経費と劇場利益を差し引いた金額を興行会社は配給会社に支払う。この配給会社に支払われる金額を配給収入(配収)という。配収は興収の何%と事前に興行会社と配給会社の間で取り決められるが、一般的には50%ほどである。しかしヒット確実の有力作品になると、配給会社は強気になり、70%といった数字を提示するケースもある。一方、配収は配給会社と製作会社とで分配、ハリウッド作品のように製作者や脚本家、監督、出演者たちも、配収の中から何%かの歩合を受け取るケースがある。分配された配収から経費を差し引いた額が利益になるが、製作会社の場合、膨大な額の製作費をすでに負担しているわけだから、赤字になるケースも少なくない。特に製作会社が独立プロの場合、経営を悪化させる要因にもなる。スタープロなどが倒産に追い込まれたのはこうした厳しい現実があるからだ。日本では、長い間興行成績を配収で発表してきたが、2000年度から洋画会社の意向で興収に切り替わった。米国方式にならったわけだが、興収の方が作品の売り上げがストレートに反映される。

(宮本治雄 映画ライター / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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