第12脳神経ともよばれる。延髄の腹側から出て舌筋(内舌筋と外舌筋)に到達する運動神経で,口腔底を通り,舌の下面から舌内部に入るため〈舌下〉神経とよばれる。もっぱら舌の運動をつかさどる。系統発生上,舌下神経は舌の中に筋が入ってきた段階で出現する。したがって,粘膜の隆起にすぎない舌をもつ魚類にはない。この神経を出す神経細胞は,脊髄の前角細胞と同類の運動神経細胞で,脊髄前角細胞に連続するような形で延髄の下位レベルに存在する。なお,舌の感覚神経としては,舌の前方2/3の領域をつかさどる舌神経(第5脳神経である三叉神経の第3枝の枝)と舌の後方1/3の領域をつかさどる舌咽神経(第9脳神経)がある。
→神経系
執筆者:水野 昇+正井 秀夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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[内部構造]
延髄内部には,いろいろの働きをする神経核(神経細胞またはニューロンの集団)と延髄を通過し,あるいは神経核に結合する神経路とがある。神経核には,迷走・舌咽・副・舌下神経の四つの脳神経の核がある(図)。迷走神経は大きく分けて,頸部,胸部,腹部の内臓に分布する。…
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[脳神経と脊髄神経]
脳に出入する末梢神経系,すなわち脳神経は爬虫類以上の脊椎動物では一般に12対ある。嗅神経,視神経,内耳神経(平衡聴覚神経または前庭蝸牛(かぎゆう)神経)のほか,眼球を動かす動眼神経,滑車神経,外転神経,表情筋を動かす顔面神経,頭顔部の感覚を伝達する神経繊維のほかに,咀嚼(そしやく)筋を動かす神経繊維を含む三叉(さんさ)神経,そのほか舌咽神経,迷走神経,副神経,舌下神経である。以上12対の脳神経のうち,副神経は本来は迷走神経の副枝である。…
…これらの筋は,頭,頸,肩の動きに主要な役割を果たしている。 第12脳神経は舌下神経nervus hypoglossusで,舌筋の運動神経である。神経系【水野 昇】 脳神経のなかで三叉神経,顔面神経,舌咽神経,迷走神経,副神経はえらの形成と関連して生じる。…
※「舌下神経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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