精選版 日本国語大辞典 「舌切雀」の意味・読み・例文・類語
したきり‐すずめ【舌切雀】
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昔話。飼っていたスズメが糊をなめたので,飼主がスズメの舌を切る。スズメは迫害を逃れて山へ去る。後日スズメを探しに行った心清い爺婆に富を授け,それを真似た者には災いを与えると語る本格昔話。五大お伽噺の一つ。一般的には,婆が舌を切り,欲ばりをして大きな土産を望み,ハチや蛇にかまれて手ひどい目にあうとされる。しかし,舌を切る役が爺であることも少なくない。スズメと爺婆との出会いについても,怪我をしたスズメを介抱することに始まるもの,籠に入った姿で川上から流れ寄ったのを拾い育てるものなど種々に語られる。親切な爺婆がスズメを探しに行く途中,かなり汚い内容の難題が課せられたり,困難な労働を条件にスズメと再会する例などもある。舌を切ることが人々の興味を集め,題名の由来になったとみられる。これには江戸時代の赤本・青本など読本(よみほん)の流布による強い影響が認められる。赤本には〈したきれすずめ〉とある。江戸時代,曲亭馬琴,黒沢翁満により《宇治拾遺物語》にある〈雀報恩事〉を〈舌切雀〉の原拠とする説が行われた。また《嬉遊笑覧》では《捜神記》にみられる中国説話を源泉にみたてている。この昔話は,特別な姿や形状でこの世に出現する小さ子の物語の一つである。神の子としての際立つ特徴をもつという点で,舌を切るスズメの物語が注目されなければならない。羽切雀,尾羽切雀,耳切雀なども同系列の語りである。
執筆者:野村 敬子
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…スズメの色彩はじみで,人々に注目されることは少なかったが,喉部(こうぶ)の黒色模様が特徴的なので,昔話の〈雀孝行〉では親の臨終の知らせにあわてたスズメが御歯黒をつけそこない,それが模様になったとする由来譚が語られている。白いスズメは来福の兆しと考えられたが,昔話でも〈舌切雀〉のように,スズメは人間に富を与える鳥としても語られた。《宇治拾遺物語》にも,腰を折られたスズメを老婆が助けたところ,そのスズメがヒョウタンの種子をもたらし,成長したヒョウタンの中から白米が生じたとするスズメの報恩譚が見える。…
※「舌切雀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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