舌形動物(したがたどうぶつ)(読み)したがたどうぶつ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

舌形動物(したがたどうぶつ)
したがたどうぶつ

動物分類学上、環形動物門と節足動物門の中間と考えられる1門を構成する動物群。かつては節足動物門の1綱とされたが、現在では門として扱われ、「ぜっけいどうぶつ」ともよばれる。寄生生活のシタムシ類約60種からなる小群で、一般に扁平(へんぺい)で舌に似た形をしているのでこの名があるが、頭部に口のほか、4本のいぼ足を収めるくぼみがあり、口が五つあるようにみえるところから五口動物(ごこうどうぶつ)Pentastomataともよばれる。緩歩(かんぽ)動物門(クマムシ類)および有爪(ゆうそう)動物門(カギムシ類)とともに側節足動物門Pararthropodaとしてまとめられることがあるが、互いに強い類縁関係があるということではなく、いずれも環形動物と節足動物の中間的な位置にある動物という意味にすぎない。舌形動物起源は明らかでないが、寄生生活によって退化した動物群の可能性がある。

[武田正倫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android