舎密局(読み)セイミきょく

精選版 日本国語大辞典 「舎密局」の意味・読み・例文・類語

セイミ‐きょく【舎密局】

〘名〙 明治初期に理化学実験教育のために設立された機関明治元年一八六八幕府開成所の理化学部門を大阪に移転し、翌年開局した。同三年理学校と改称、のち、大阪開成所に統合された。また、同三年に京都舎密局も開設されたが、同一七年廃局。〔医語類聚(1872)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「舎密局」の意味・わかりやすい解説

舎密局
せいみきょく

明治初年の化学(舎密)の研究教育機関。蕃書調所(ばんしょしらべしょ)などで幕末以来導入されていた化学研究は、富国強兵策下、硝石・火薬の製法などが重視され、政府が1869年(明治2)大阪舎密局を開局。教授にオランダ人ハラタマKoenraad Wouter Gratama(1831―1888)を迎え、諸器械を輸入した。1870年(明治3)大阪理学所、さらに大阪開成学校と改称したが、1872年閉校。また1870年京都府立の舎密局も開設、1881年民間払下げ、1884年閉局。

[木槻哲夫 2018年9月19日]

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世界大百科事典(旧版)内の舎密局の言及

【染色】より


[近代]
 1856年W.H.パーキンによって合成染料が発明され,まもなく工業生産が開始されるが,日本には早くも62年(文久2)ころ輸入され,京都や桐生で試用されたようである。しかし,合成染料が積極的に日本で研究されはじめたのは68年(明治1)10月大阪に,70年12月に京都に舎密(せいみ)局が開設されてからである。舎密とはドイツ語のChemie(化学)を英語風に読んで当て字をしたもので,理化学研究の機関であった。…

※「舎密局」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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