航空中心主義(読み)こうくうちゅうしんしゅぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「航空中心主義」の意味・わかりやすい解説

航空中心主義
こうくうちゅうしんしゅぎ

航空第一主義とも呼ばれる。第1次世界大戦後の軍用航空機の進歩に伴って,海上兵力の主役はもはや,戦艦ではなく,航空機であるとした主張。主要国海軍では,航空機の果す役割を第2次世界大戦初期まで過小評価した。日本では,山本五十六,大西滝次郎といった海軍軍人が航空中心主義を説いた。しかし第2次世界大戦において,ドイツ=イタリア空軍の陸上基地航空機は,イギリス海軍に対して地中海英仏海峡を制することができなかった。また太平洋戦争におけるミッドウェー海戦で,日本海軍は主力航空母艦 (空母) 6隻中4隻を失い,その再建増強に困難を感じ,陸上基地航空兵力の拡充によってアメリカ軍に対抗しようとしたが,1944年以降 15隻の高速空母をもつアメリカ艦隊の機動力と集中的打撃によって壊滅され,第2次世界大戦の海上作戦における航空中心主義は,空母中心の機動部隊に敗退した。

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