般若経典(読み)はんにゃきょうてん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「般若経典」の意味・わかりやすい解説

般若経典
はんにゃきょうてん

大乗仏教経典で,「般若」という称をもつ一連の教典をいう。 (くう) の思想を根底として菩薩の実践徳目である六波羅蜜 (ろくはらみつ) ,特に般若波羅蜜を強調し,成仏をすすめ,人々の苦悩を除くことを教える教典。サンスクリット語原典では『八千頌般若』 Aṣṭasāhasrikā-prajñāpāramitāが初期の般若経典とされ,その他『一万頌般若』『一万八千頌般若』『二万五千頌般若』『十万頌般若』などがある。漢訳では玄奘の『大般若波羅蜜多経』 (600巻) が一大集成経典であるが,『般若心経』『金剛般若波羅蜜経』『理趣経』などは特に有名。大乗仏教興起の原点に位置するものとされている。

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