(読み)ヘ

デジタル大辞泉 「舳」の意味・読み・例文・類語

へ【×舳】

船の先端部。船首。へさき。みよし
ともに―にま櫂しじ貫きい漕ぎつつ」〈・四二五四〉

じく【舳】[漢字項目]

[音]ジク(ヂク)(呉) [訓]へさき
船首。へさき。「舳艫じくろ

じく〔ヂク〕【×舳】

船の先の方。船首。へさき。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「舳」の意味・読み・例文・類語

じくヂク【舳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 舟のへさき。船首。
    1. [初出の実例]「舳 ヘ チク 舟舳」(出典:延宝八年合類節用集(1680)六)
    2. [その他の文献]〔左思‐呉都賦〕
  3. 船のとも。船尾。〔漢書注‐武帝紀〕

へ【舳】

  1. 〘 名詞 〙 船の前部総称。へさき。
    1. [初出の実例]「夕潮に 舟を浮けすゑ 朝なぎに 倍(ヘ)向け漕がむと」(出典万葉集(8C後)二〇・四三九八)
    2. 「舟のへにたてりけるが」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「舳」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音] ジク(ヂク)
[字訓] とも・かじ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は由(ゆう)。由に宙(ちゆう)・軸(じく)の声がある。〔説文〕八下に「艫(ろ)なり」、また艫字条に「一に曰ふ、頭なり」とへさきの意とする。また舳にも「一に曰ふ、舟尾なり」とあり、〔小爾雅〕に舳を首、艫を尾とする。舳艫で一艇身、また船の一丈平方を舳という。

[訓義]
1. とも。また、へさき。
2. かじ。
3. 舟の方丈の大きさをいう単位。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕舳 止毛(とも)〔和名抄〕舳 楊氏語抄に云ふ、舟頭、水を制する處、和名、閇(へ)〔名義抄〕舳 ヘ・トモ

[熟語]
舳艫
[下接語]
玉舳・連舳・艫舳

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【和船】より

…平たくいえば〈壮大なる板船〉なのである。(2)上甲板前端より斜め上方に突き出たとがった舳(みよし)(水押とも書く)を有すること。これはベザイ船の名の由来(舳(へさき∥へ)があるからヘザイ(舳在)→ベザイ)でもある。…

※「舳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android