良渚遺跡(読み)りょうしょいせき(英語表記)Liangzhu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「良渚遺跡」の意味・わかりやすい解説

良渚遺跡
りょうしょいせき
Liangzhu

中国のチョーチヤン(浙江)省北部,ハンチョウ(杭州)特別市北西部のリヤンチュー(良渚)鎮付近に分布する新石器時代後期の遺跡群。1936年発見。良渚文化(前3400~前2200)の標準遺跡。北はティエンムーシャン(天目山)山脈支脈をなすダーチョーシャン(大遮山)丘陵から,南はダーシュン(大雄)山に囲まれた東西約 12kmの地域をさすが,周辺にも少なからぬ遺跡が点在する。チエンタン(銭塘)江下流域の水路湖沼に恵まれた地域で,大量の炭化籾が出土し,環濠集落や洪水防止のための土嚢積み,ダムなどの水利システムの痕跡も発見されたことから,集約的な稲作農耕(→稲作文化)が行なわれていたことがわかった。中心遺跡の莫角山遺跡群では土築の囲壁などが確認され,計画的に都市が建設されていたことが明らかになり,長江文明の存在を裏づけるものの一つとなった。おもな出土品としては製の(そう),(へき)のほか,黒陶,精巧な木器漆器などがある。2019年莫角山遺跡群と周辺のダム施設などが世界遺産の文化遺産に登録された。

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