色深し(読み)イロフカシ

デジタル大辞泉 「色深し」の意味・読み・例文・類語

いろ‐ふか・し【色深し】

[形ク]
色が濃い。色が濃く美しい。
「わが宿の嘆きの下葉―・くうつろひにけりながめふるまに」〈かげろふ・上〉
ひたすらに恋うさま。情が深い。
「紅の初花ぞめの―・く思ひし心われ忘れめや」〈古今・恋四〉
容色が美しい。
「―・き御人も、互ひに夫妻と頼み頼まるる習ひなり」〈伽・物くさ太郎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「色深し」の意味・読み・例文・類語

いろ【色】 深(ふか)

(「いろぶかし」とも)
① 色が濃い。色が濃く美しい。
万葉(8C後)二〇・四四二四「伊呂夫可久(イロブカク)背なが衣は染めましを御坂(みさか)たばらばまさやかに見む」
謡曲紅葉狩(1516頃)「朝(あした)の原はきのふより、色深き紅を、分け行くかたの山深み」
② 容色、容貌が美しい。
新撰字鏡(898‐901頃)「艷 以呂布加志 又美也」
愛情が深い。思いこむ心が深い。志が深い。
※古今(905‐914)恋四・七二三「紅(くれなゐ)のはつ花ぞめの色ふかく思ひし心われ忘れめや〈よみ人しらず〉」
④ 色けが多い。また、色欲が強い。
仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「その比(ころ)都に隠れもなく、色深(フカ)き男どもあり」

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