デジタル大辞泉
「花散里」の意味・読み・例文・類語
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はなちる‐さと【花散里】
[1] 〘名〙
① 花の散る里。花の散る宿。
※
万葉(8C後)八・一四七三「橘の花散里
(はなちるさと)のほととぎす片恋しつつ鳴く日しそ多き」
② 香木の名。分類は
伽羅。香味は苦酸。六十一種名香の一つ。
※建部隆勝香之
筆記(香道秘伝所収)(1573)「花散里
(ハナチルサト)、聞不
レ申候」
※雑俳・柳多留‐四四(1808)「はは木ぎをだまし花ちる里へ行」
④ 五歳の異称。
※玉塵抄(1563)二〇「ここらに人の五の歳をば花散里(はなちルさと)と公家がたの人のいわるるぞ」
[2]
[一] 「源氏物語」第一一帖の巻名。源氏二五歳の五月二〇日、麗景殿の女御と、その妹花散里を訪問する次第を述べる。
[二] 「源氏物語」の登場人物。麗景殿女御の妹。源氏の
庇護のもとに暮らし、のち、六条院の夏の町に
夕霧とともに引き移る。
染色や
縫物にすぐれ、控えめでまじめな性格。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報