花色衣(読み)ハナイロゴロモ

デジタル大辞泉 「花色衣」の意味・読み・例文・類語

はないろ‐ごろも【花色衣】

咲いている花を衣に見立てた語。また、その花の色の衣。
山吹の―ぬしや誰問へど答へずくちなしにして」〈古今雑体
はなだ色の衣。露草で染めた色の衣。移りやすい気持ちをこめて使うこともある。
「移りやすさの―」〈松の葉・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「花色衣」の意味・読み・例文・類語

はないろ‐ごろも【花色衣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 咲いている花を衣に見立てたもの。
    1. [初出の実例]「山吹の花色衣ぬしやたれとへどこたへずくちなしにして〈素性〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇一二)
  3. はなだ色の着物。薄藍色に染めた衣服。露草の花などで染めた。はないろぎぬ。
    1. [初出の実例]「露しげみ花色衣かへるとも又も来て見ん野辺の秋萩」(出典:待賢門院堀川集(1145‐46頃))
  4. 移り変わること。移ろいやすいこと。上方遊里で用いられた語。
    1. [初出の実例]「花色衣(イロコロモ)の世じゃと思ひます」(出典:評判記難波鉦(1680)五)

はないろ‐ぎぬ【花色衣・花色絹・縹色絹】

  1. 〘 名詞 〙 はなだ色の衣服。また、はなだ色に染めた絹。はないろごろも。
    1. [初出の実例]「花色ぎぬの袂には、梅のにほひやまじるらん」(出典:車屋本謡曲・草子洗小町(1570頃か))

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