花葉(読み)カヨウ(その他表記)floral leaf

デジタル大辞泉 「花葉」の意味・読み・例文・類語

か‐よう〔クワエフ〕【花葉】

花を構成している各要素。花びら・がくを裸花葉、雄しべ雌しべを実花葉といい、いずれも葉が変化して生じたものとされる。
蘚類で、茎の頂部について生殖器官を保護する葉。

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精選版 日本国語大辞典 「花葉」の意味・読み・例文・類語

か‐ようクヮエフ【花葉・華葉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 花や葉。
    1. [初出の実例]「花葉遽落意甚惜焉」(出典:続日本紀‐天平一〇年(738)七月癸酉)
    2. [その他の文献]〔晉書‐石勒載記上〕
  3. 種子植物の花を構成する各器官。厳密には苞(ほう)のみをさすが、それぞれの器官は葉の変形したものという考えからいう。生殖作用を営む雄しべ、雌しべを実花葉、保護器官の花弁(がく)などを裸花葉という。
  4. 蘚類(せんるい)の茎の頂端に密集して生え、生殖器官を保護する変形葉。分類の標徴になる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「花葉」の意味・わかりやすい解説

花葉
かよう
floral leaf

花は1つの枝が短縮し,その枝の葉がそれぞれ,花の各部分に変形したものと考えられる。この場合の葉的器官が花葉である。なかでも,生殖のうえからは付属的器官とみなされる萼片,花弁を裸花葉と称し,生殖に関与するおしべおよび心皮 (めしべを構成する花葉) を実花葉という。

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世界大百科事典(旧版)内の花葉の言及

【花】より

…さらに花の基部に,葉が小型化した苞や小苞がみられることがあり,花の形成初期に,その保護に役だっている。花を構成している部分のうち,おしべとめしべが軸または軸と葉的器官からなるとする考えも根強く残っているが,器官学,解剖学,発生学の知見からは,おしべとめしべ(心皮)は葉的器官で,それぞれ小胞子葉と大胞子葉に相同であり,花被は葉の特殊化したものとみなされ,これらを総称して花葉floral leafと呼んでいる。花托(花床ともいう)は軸の先端が短縮したものである。…

※「花葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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