苔色(読み)コケイロ

デジタル大辞泉 「苔色」の意味・読み・例文・類語

こけ‐いろ【×苔色】

染め色の名。濃い萌葱もえぎ色。
かさねの色目の名。表裏ともに濃い萌葱色のもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「苔色」の意味・読み・例文・類語

こけ‐いろ【苔色】

〘名〙
① 染め色の名。濃い、もえぎ色。〔藻塩草(1513頃)〕
② 襲(かさね)色目。表、裏ともに濃いもえぎ色のもの。
※原中最秘鈔(1364)下「墨染こけいろなとは出家ほかは是を歌に詠む可からず」
③ 一般に、濃い、もえぎ色。
月山(1974)〈森敦〉「月山は〈略〉そうした緑の中に、ひとり淡々と苔色を帯びていたのですが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

色名がわかる辞典 「苔色」の解説

こけいろ【苔色】

色名の一つ。JISの色彩規格では「くすんだ黄緑」としている。一般に、コケ植物のような鈍にぶい黄緑色を表す伝統色名。乾いたコケは明るく、湿ったコケは暗い色をしているためイメージは幅広いかさね色目いろめの名でもあり、表は濃香こきこう、裏は二藍ふたあい、または表裏とも濃い萌葱もえぎなど。現代では英語モスグリーン(moss green)という言葉で表現されることが多くなった。衣類、鞄、生活雑貨など、さまざまな分野で使われている。

出典 講談社色名がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android