若月俊一(読み)わかつきとしかず

百科事典マイペディア 「若月俊一」の意味・わかりやすい解説

若月俊一【わかつきとしかず】

農村医学者。東京都生れ。1936年東京大学医学部卒業。1945年より長野県農業会佐久病院(JA長野厚生連佐久総合病院の前身)で勤務,外科医長,院長総長,1998年から名誉総長を務めた。日本農村医学研究所所長,日本農村医学会理事長,国際農業医学会事務総長なども歴任。農業労働による慢性疲労,農村・農家の非衛生的環境,農村での封建的人間関係などに起因する健康障害を〈農夫症〉として体系づけるとともに,住民の健康手帳・健康台帳の作成,無医村への出張医療などを行い,在宅看護の先駆けにもなった。住民自らが健康意識を高めることをめざし,芝居人形劇を通じた予防知識の普及にも努めて地域医療に貢献した。著書に《農村医学》《村で病気とたたかう》など。《若月俊一著作集》全7巻がある。1976年マグサイサイ賞受賞。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「若月俊一」の解説

若月俊一 わかつき-としかず

1910-2006 昭和-平成時代の医師
明治43年6月26日生まれ。昭和20年長野県農業会佐久病院(現佐久総合病院)にはいり,21年院長,平成6年総長。無医地区の巡回診療,集団検診をおこない,全村健康管理方式を確立した。昭和27年日本農村医学会を設立し会長。51年マグサイサイ賞。平成18年8月22日死去。96歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「農村医学」など。

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世界大百科事典(旧版)内の若月俊一の言及

【農村医学】より

…手の過労性腱鞘炎),〈腰曲り〉〈ぎっくり腰〉をはじめ,〈胆虫症〉〈冷え〉〈気がね病〉など,農村民に多発する特殊な疾患や災害についてであった。また,このほか農民に多い自覚症状である,肩こり,腰痛,手足のしびれ,夜間多尿,不眠等については,藤井敬三,若月俊一らによって〈農夫症〉として体系づけられた。さらに若月は,無医村的環境,経済的困難,農繁期の多忙等の社会的理由により,疾病を有しながら受診していないものを〈潜在疾病〉と名づけ,これを〈がまん型〉と〈気づかず型〉とに分類した。…

※「若月俊一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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