若狭得治(読み)わかさとくじ

百科事典マイペディア 「若狭得治」の意味・わかりやすい解説

若狭得治【わかさとくじ】

官僚経営者。富山県出身。1938年に東京帝国大学(現,東京大学)法学部を卒業し,逓信(ていしん)省(1943年に改編統合されて運輸通信省となり,1945年には運輸省に改組された)に入る。1965年に運輸事務次官となり,1967年に運輸省を退官。1969年に全日本空輸全日空)へ顧問として招かれ,副社長を経て,1970年に社長に就任。1976年に会長,1991年には名誉会長となる。社長としての人望があり,ホテル事業などの多角経営化を図ったことなどから,〈全日空の天皇〉〈全日空中興の祖〉などと称された。1997年から1999年まで日本航空協会会長を務めた。なお,1976年にロッキード事件が発覚し,これに連座して外国為替(かわせ)管理法(外国為替及び外国貿易法)違反および議院証言法議院における証人宣誓及び証言等に関する法律)違反で逮捕され,1992年に懲役3年(執行猶予5年)の有罪判決が確定している。→逓信省

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「若狭得治」の解説

若狭得治 わかさ-とくじ

1914-2005 昭和-平成時代の官僚,経営者。
大正3年11月19日生まれ。運輸省にはいり,海運局長のとき海運業界再編成にあたる。昭和40年事務次官。44年副社長として全日本空輸にはいり,45年社長,51年会長。同年ロッキード事件で外為法違反などで逮捕される。有罪判決をうけたが辞任せず,実力者ぶりを発揮した。平成17年12月27日死去。91歳。富山県出身。東京帝大卒。

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