苦苦(読み)にがにがしい

精選版 日本国語大辞典 「苦苦」の意味・読み・例文・類語

にがにが‐し・い【苦苦】

〘形口〙 にがにがし 〘形シク〙
① 心の中で、そのことをおもしろくなく感じる。非常に不愉快だ。たまらなくいやだ。
平家(13C前)一「慶び申ありしかども、世の中にがにがしうぞ見えし」
浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)五「にがにが敷顔をつくり腹がいたむと云出して」
② にがみばしっている。
※天草本平家(1592)三「カヲ ワ niganigaxij(ニガニガシイ) ヲトコ デ アッタレ ドモ」
③ 苦い味がする。
※俳諧・玉海集(1656)一「にかにかし黄檗や誘ふはなの風〈三忠〉」
にがにがし‐げ
〘形動〙
にがにがし‐さ
〘名〙

にがむ‐にがむ【苦苦】

〘副〙 苦い顔をしながら。にがにがしい思いをしながら。いやいやながら。
大鏡(12C前)五「いま二所も、にがむにがむ各おはさふじぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「苦苦」の読み・字形・画数・意味

【苦苦】くく

懇切。

字通「苦」の項目を見る

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