英甫永雄(読み)えいほ・えいゆう

朝日日本歴史人物事典 「英甫永雄」の解説

英甫永雄

没年:慶長7.9.16(1602.10.30)
生年天文16(1547)
安土桃山時代の臨済宗夢窓派の僧。別に武牢,小渓,芳洲とも号した。若狭(福井県)の人,武田信重の子。同族の出身である建仁寺(京都)の文渓永忠に就いて学び,諸方遊歴の後にその法を嗣ぐ。夢窓派と併せて幻住派の法をも嗣いでいる。建仁寺如是院に住し,天正14(1586)年建仁寺住持となり,文禄3(1594)年南禅寺に昇住した。相国寺鹿苑院の 西笑承兌 や林羅山と親交があり,羅山の学問には大きな影響を与えた。連句,和歌にもすぐれたが,特に狂歌を好み,近世狂歌の祖とされる。<著作>『羽弓集』『雄長老詠百首狂歌』『倒痾集』

(中尾良信)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「英甫永雄」の解説

英甫永雄 えいほ-えいゆう

1547-1602 織豊時代の僧。
天文(てんぶん)16年生まれ。細川幽斎の甥(おい)。臨済(りんざい)宗。文渓永忠の法をつぐ。天正(てんしょう)14年から没年まで建仁寺(けんにんじ)住持。同寺でまなんでいた林羅山(らざん)に影響をあたえる。連句や和歌にすぐれ,とくに狂歌の祖とされる。慶長7年9月16日死去。56歳。若狭(わかさ)(福井県)出身。通称は雄長老。別号に武牢,小渓。狂歌集に「雄長老百首」,詩文集に「倒痾(とうあ)集」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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