荒妙(読み)アラタエ

デジタル大辞泉 「荒妙」の意味・読み・例文・類語

あら‐たえ〔‐たへ〕【荒妙/粗×栲】

上代、木の皮の繊維で織った、織り目の粗い布の総称。→和妙にきたえ
平安時代以降、麻織物のこと。
[補説]書名別項。→荒栲

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精選版 日本国語大辞典 「荒妙」の意味・読み・例文・類語

あら‐たえ‥たへ【荒妙・粗栲】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上代、織り目のあらい織物の総称。一般に、藤、カジノキなどの木の皮の繊維で織った粗末な布をいう。⇔和妙(にきたえ)
    1. [初出の実例]「麁妙(あらたへ)布衣(ぬのきぬ)をだに着せかてにかくや嘆かむせむすべをなみ」(出典万葉集(8C後)五・九〇一)
  3. 中古以降、麻織物のこと。
    1. [初出の実例]「阿波国忌部所織麁妙服(あらたへ)〈神語所謂阿良多倍是也〉」(出典:延喜式(927)七)
    2. 「常の衣の上に粗𣑥(アラタヘ)汗衫(じゅばん)を被りたるが」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉謝肉祭)

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