落口（読み）オチグチ

デジタル大辞泉

おち‐ぐち【落（ち）口】

１ 水の流れの落下する所。「滝の落ち口」
２ 抽籤ちゅうせんや入札に当たった人。
３ 落ち始め。
「あしひきの山の木の葉の―は色のをしきぞあはれなりける」〈拾遺・物名〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

おち‐ぐち【落口】

1. 〘 名詞 〙 ( 「おちくち」とも )
2. ① 落ち始め。散り始め。また、落ちぶれ始めたとき。落ち目のとき。
   1. [初出の実例]「何事をいはるるぞ。おち口には目が見えなんだ」(出典：咄本・醒睡笑（1628）六)
3. ② 落ちのびる時の逃げ口。逃げて行く時の出口。
   1. [初出の実例]「をちくちて二人ともには助けられまいぞ」(出典：寛永刊本蒙求抄（1529頃）六)
4. ③ 滝となって水流が落下する所。また、下水などの排水口。
   1. [初出の実例]「此の広い落口(オチクチ)で、縁ありゃこそこの小さな網に掛ったこの死骸」(出典：人情本・花筐（1841）四)
5. ④ くじ、または入札に当たる人。

出典　精選版 日本国語大辞典